2023.07.21
小学校でも英語の授業が始まり、「小さい頃から英語をさせた方がいいのかな?」と思われるご家庭も増えてきているのではないでしょうか? ここでは、幼児期に英語を学ばせるメリットとポイントについてご紹介します。
色々な刺激や経験をさせてあげたい幼児期。
「将来的には英語は必要だろうけど、幼児から英語をさせなくても…」というご家庭もあるでしょうか。
お子さまのベースを育む大切な限られた幼児期の時だからこそ、”学習”に時間を使うのはちょっと気になることもありますよね。 でも、”幼児期だからこそ英語を学ばせる”メリットもあるんです。
英語には、日本語にはない音やリズムがあります。「rとlの識別が日本人は苦手」というのは、とてもよく言われる話なので、耳にされた事もあるかもしれません。
少し専門的な話にはなりますが、日本語と英語は使用する周波数帯が異なるので、幼児期に英語にふれたことのない日本人には、英語の音を聞きとることは、とても難しいと言われています。 ところが、幼児期はとても耳がよく、スポンジのように何でもすぐに吸収する時期なので、英語を聞き取れる「英語耳」を発達させることができます。
「英語脳」とは、英語を英語のまま理解できることです。
一般的に、ずっと日本語のみを使い物事を考えてきた人は、まず日本語で考えてから英語に翻訳するという頭の使い方をします。
ところが、英語脳を持っている人は、例えば「book」と聞いて、「book=本のことだな」と頭で日本語に翻訳して本をイメージするのではなく、本をすぐにイメージすることができる力を持っているのです。
単語1つでこれなので、これが文章になるとどうでしょうか。
英語と日本語は、言語の構造が大きく異なり、文章全体での主語・述語の位置をはじめとして、語順が異なることがよくあります。 幼児期に「英語脳」が育った人は、翻訳作業が必要ないので、スムーズに英語を使い、コミュニケーションを取ることができます。
色々な考え方があるようですが、日本人が英語を習得するには、小中高大の授業時間だけでは足りず、学校の授業以外にも1500時間ほど必要と言われています。
幼児期から英語学習を始めることで、英語に触れる時間を増やし、英語の習得を早くすることができることになります。
英語には日本語にはない、特有のストレートな表現があります。
幼児期からそのストレートな感情表現や意見の伝え方を体験することで、そのストレートな表現での自分の意見をしっかりと持ち、それを伝えられる人に育つことも期待できます。
また、日本語・英語それぞれ特有の両方の体験をすることで、国籍や価値観の違いを認めることができることにも繋がります。
これによって、昨今のグローバル化で必要とされる能力「多様性を理解する力」も高めていくことができるとも言われています。
日本は島国ということもあり、意識して「外国」や「世界」に接しようとしなければ、日本独自の枠組みの中での常識や視野のみで生きていくことになりがちです。
何でも吸収しやすい幼児期のうちから、英語という言語を通じて、背景や文化に触れて、感じ・理解することで、外国の人への偏見や恐れという意識を持たず、多様性への寛容力を身に着けられることができると言われます。
英語を話す文化の人は、世界で約15億人程度とも。英語を話すことが出来れば、これだけ多くの英語圏の人や英語を話す人々との国際交流もでき、見える世界が大きく広がることも期待できそうですよね。
一昔前とは異なり、英語を話せる日本人はどんどん増えてきており、英語は何かをするための「ツール」でしかなくなってきています。これはつまり、英語が話せることが”武器”になる世の中ではなく、”ツール”としての英語が話せないことは大きな足かせになる場合も出てくることにもなります。
グローバル化やコロナ禍で発達したリモートワークの定着により、今後、英語の必要性は高まる一方です。
パソコンのチャット窓口に問い合わせをしたら外国の人が翻訳機能を使って対応してくれた、なんて経験がある方もいらっしゃるのでは。 幼児期から英語を学ぶことで、英語に対する抵抗感が減り、将来的には海外での活躍も含め、お子さまにとって職業を選択する幅が、今の大人が想像できないくらい大きく広がることになるかもしれません。
このように、早くから英語教育をさせることにはメリットがたくさんあります。
ただ一方で、賛否両論あるのも事実です。 デメリットと言われていることが起こらないよう、英語を学ばせるにあたってのポイントもご紹介します。
セミリンガルとは、複数言語で育った人が両方とも年齢相応の言語能力まで伸びていない状態のことをいいます。
個人差はありますが、特にインターナショナルスクールなどで1日の大半を過ごす生活環境にいる場合は、日本語の発達に遅れが出てくることも珍しくはないそうです。 とはいえ、日本に住んで、日本の学校に通っているお子さまであれば、日本語のある環境でしっかりと日本語の能力も発達するので、この点はあまり心配する必要ないと言われています。
外国にはその国の言語の背景や文化(自立性や主体性などを重視)があるのと同様に、日本には日本の言語の背景や文化(規律や協調性などを重視)があります。
これは、どちらがいい悪いというものではありません。
また、人はどちらか一方のみしか身につけられないわけでもありません。外国や日本、両方の違いを理解した上で、良い部分を子どもが自分の意識や行動に取り入れていくことが出来れば、たとえば、リーダーシップを持ちながらも思いやりもある、そんな人になることも可能です。
ご自分のお子さまが、もしそういう人になれるとしたら素敵ですよね。 英語を学ぶ環境に置くことばかりに目を向けてしまわず、日本の文化や慣習にもふれられる機会も大切にするようにしましょう。
他の習い事と同じく、親御さんが熱心にやらせようとするあまり、その熱意がかえってお子さまの英語に対する嫌悪感を持たせてしまうこともあります。
大人がよかれと思って早くから英語教育をさせた結果、英語嫌いになってしまった…では本末転倒ですよね。
英語を「しなければならないもの」というプレッシャーをお子さまが感じることのないよう、英語を楽しく・自然に触れ合えるように取り入れる工夫が大切と言えるのかもしれません。
また、ご存じのとおり、幼児期のお子さまはその時の気分で好きになったりキライになったり…とコロコロと反応がかわるもの。”今”を生きているお子さまなので、その時にやりたい気持ちを汲んであげるのも子育ての中ではとても大切なことです。
もし、お子さまが嫌がったり気分がのらない時には無理に教えないようにしましょう。
幼児期から英語を学ばせることには、賛否両論ありますが、デメリットといわれることがカバーできるように注意すれば、メリットの方が多くあります。
今の世の中、もはや英語を話せることは”武器”ではなく、英語が目的達成のための”ツール”になってきているのが現状です。
お子さまが将来、何かを「やりたい!」と思ったときに、英語が足かせとならずに望む世界に踏み出せるよう、英語が勉強・科目になってしまう前に、幼児期のうちから楽しんで英語と触れ合える環境を整えてみませんか。
幼児期からの英語学習を成功させるには、大きくなってからも継続的に取り組むことも大切です。 ご自身の家庭にあった、長く続けられる英語学習の方法をぜひ選んで頂きたいと思います。